【CoachingWorld】Keeping Current 最新ニュース

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ICF日本支部では、翻訳ボランティア会員の協力を得て、このコーチングワールドの記事をピックアップして日本語に翻訳し、日本の皆様に世界のコーチング状況をお伝えして参ります。これは将来的には会員専用コンテンツになる予定です。こうした活動を御支援いただくために、是非、御入会を御検討ください

今回は、2014年5月号から、松本郁美氏に翻訳いただきました「Keeping Current 最新ニュース」の記事「Get Creative with a Walk ウォーキングでクリエイティブになろう」「The Stress Switch ストレススイッチ」を御紹介します。


CoachingWorld ISSUE10 February 2014
Keeping Current
最新ニュース
Get Creative with a Walk
Get Creative with a Walk
ウォーキングでクリエイティブになろう

クリエイティブになれないでスランプに陥っていますか。それならば、ウォーキングをしてみてはどうでしょうか。スタンフォード大学がおこなった最近の研究では、屋内であっても屋外であっても、歩いている人の方が、座っている人よりもクリエイティブであることがわかった。

研究者らは、座っているときと比べて歩いているときに、どのくらいクリエイティビティが発揮されるかを一般的なクリエイティビティ(創造力)テストを使って調べた。被験者を3つのグループに分け、異なる指示を出した。あるグループにはランニングマシーン(トレッドミル:ベルト上を歩いたり走ったりするトレーニング器具)の上を歩くよう指示し、別のグループには屋外を歩くよう指示し、もう一つのグループには座るよう指示した。その後で、それぞれのグループはクリエイティビティ(創造力)テストを受けた。テストは、日用品について他の用途を考えたり類似性を見つけ出すという内容だ。ウォーキングには、被験者が着席した後でもクリエイティブなアイディアを考えつくという残存効果がみとめられた。

この研究は、非常に有能なエクゼクティブらの多くが既に知っていたことの裏付けと言えるだろう。Facebook社CEOのマーク・ザッカバーグやApple社創始者のスティーブ・ジョブズが、歩きながらミーティングをしていたことは有名だ。このようなウォーキング・ミーティングでは、一般的な議論から、数十億ドルもの取引を決定するような議題に至るまでさまざまな案件が話し合われていた。ウォーキング・ミーティングは、今、ますます注目を集めつつある。ニロファー・マーチャントによるTEDの「ミーティングは歩きながら」の動画再生回数は140万回を超え、その注目度の高さを物語っている。

新しいワークショップや新しいマーケティング戦略のためにクリエイティブなアイディアが欲しいなら、歩きながらブレーンストーミングを始めてみよう。ウォーキングによって触発されたクリエイティビティは、少し時間をおいて響いてくるため、焦る必要はない。腰を落ち着けてから、新しいアイディアを書き留めたり、そのアイディアをさらに発展させることができる。ウォーキング・ミーティングというアイディアを、次のコーチングセッションに取り入れてみてはどうだろう(距離的な問題がなければの話だが)。そして、それがクライアントやあなたにとって、クリエイティブな考えに影響を与えるかどうか確かめてはどうだろう。

クリエイティビティはどんな仕事にも必要な要素だが、とりわけコーチングにおいてクリエイティビティは基盤となる重要なものである。コーチングプロセスそのものが、クライアントのゴールに足場を置くクリエイティブかつ柔軟なものであり、クライアントは実行可能な戦略を立てる上で、多くの場合クリエイティビティを発揮するよう求められる。クリエイティビティを高めるためにウォーキングをしてみよう。コーチングに大きな成果をもたらすかもしれない。

 ── リンジー・バドキン

The Stress Switch
ストレススイッチ

あなたは、一日のうちで何回、一つの社会環境から別の社会環境へと移行しますか。コーネル大学が最近発表した研究結果によれば、行き来する回数が多ければ、おそらく、その分だけストレスレベルも高くなる。

家と職場のように異なる社会環境の間を頻繁に行き来きしたり、親から従業員へと社会的役割が代わることが、日々の煩わしさになり、大きなストレスをもたらす可能性がある。

「切り替えの回数が多いほど、ストレスの多い生活になる。」と社会的ネットワークの分析家で、この研究論文の著者でもあるコーネル大学芸術文化学部社会学科の准教授ベンジャミン・コーンウェル氏は言う。「一つの社会的文脈を出て、新しい文脈に入るためには、マインドセット(思考様式)を切り替えなくてはならない。つまり、自分の言動により注意を向けなければならない。自動認識のモードから意図的なモードに切り替えることになり、立場や言葉遣いなど複雑な社会的振る舞い全般を切り替えなければならない。
を含め複雑な社会的配慮をしつつ、移行しなければならない。

「ダイナミクス転換とストレス発生過程」と題したこの研究は、労働者の1日における異なる社会的文脈間の切り替えを追跡するために労働統計省が実施した「2010年アメリカ国民の時間の使い方に関する調査」のデータを元にしている。この調査は国立老化研究実施の健康と幸福に関する意識調査の結果も元にしている。

研究では、女性の方が男性と比べ、社会的文脈間の行き来がストレスに結びつきやすいことが明らかになった。回答結果を見ると、社会的文脈をまたぐ回数が、男性は少なく、一方、女性は1日に20回を超える確率が男性の2倍であった。女性の方が男性よりも極めて高いストレスを抱える確率が48%高かった。

コーンウェル氏は、女性は、複数の役割や文脈を日々やりくりしているため、日常生活が予測しづらくなり、その結果、ストレスレベルが高まるのではないかと考えている。
「女性にとって切り替えは朝も昼も夜も絶え間なく続く現実であり、全く関連性のない役割を男性以上に演じ分けている。形式的、権威的、序列的な職場と、子どものいる家庭の間を、ものの10分で行き来しているのだ。」

コーンウェル氏の研究は、社会的つながり、広範囲のネットワーク、多様な関係性は有益であるという社会学が前提とする通念に対して、疑問を投げかけるものだ。

「社会生活における大きな矛盾は、多様で協力的な社会的ネットワークによって、実は、社会的かかわりが連続して次々と移り変わったり、複数のスケジュールが同時進行したり、社会的文脈が切り替わり、身近なところで複雑な問題を引き起こしているということだ。

ストレスのように健康に関わる問題を理解する鍵になるのは、社会的なかかわりを、よりミクロなレベルで捉える視点だろう。」とコーンウェル紙は言う。「単に社会的役割の数の問題でもないし、種類の問題でもない。重要なのは、役割同士がいかに連続しているかだ。」雑誌「季刊誌 社会心理学」2013年5月発行 掲載記事より

─── アビー・トリップ・ヘヴァリン

【翻訳 ICF日本支部 フレンズ 松本郁美 氏】
Originally written in English by Lindsay Bodkin & Abby Tripp Heverin
Coaching World, Issue 10, May 2014, pp.6-7
>http://icfcoachingworld.com