【CoachingWorld】A Model for Organization 秩序のためのモデル

コーチングワールド ICFでは年に4回、コーチングワールド(CW)という情報誌をオンラインとpdfで発行しています。オンライン版であれば、会員でなくとも、誰でも自由に閲覧することができます。

ICF日本支部では、翻訳ボランティア会員の協力を得て、このコーチングワールドの記事をピックアップして日本語に翻訳し、日本の皆様に世界のコーチング状況をお伝えして参ります。これは将来的には会員専用コンテンツになる予定です。こうした活動を御支援いただくために、是非、御入会を御検討ください

今回は、2015年3月号から、荒木まさえ氏に翻訳いただきました「A Model for Organization 秩序のためのモデル」の記事を御紹介します。


Coaching World ISSUE 13 March 2015
A Model for Organization
秩序のためのモデル
Core Competency #3
何があったら強いコーチになれるのでしょう。

そのリストは長く、リストにはクライアントに前進のフォーカスを持続させられる能力が上位にきています。

コーチにとって、――― 特にクライアントとかなりの比重でパートナーを組むコーチ(例えば、大学のコーチングプログラムを通して生徒とパートナーを組んでいるライフコーチ、コーチング活動に多くの時間専念する職務を持つ社内コーチ)にとって―――秩序を保つことがこの目標に達成する鍵となります。

フロリダ州立大学(FSU)のカレッジライフコーチングセンターのチームメンバーとして、コーチがコーチングセッションの最中も、セッションとセッション間でもクライアントを軌道に載せ続けられるよう、ダイナミックサーキュラーコーチングモデルを開発し実験をしました。FSUにおける1000以上のコーチングセッションのテストモデルの後、FSUカレッジライフコーチングのすべての契約で、使用に望ましいコーチングモデルとして取り入れました。

信頼性は有能で影響力のあるコーチの重要な資質です。したがって、コーチングの成長過程を示すモデルを作ることが不可欠でした。コーチングリレーションシップパワーはコーチングを行っている間に起こるだけでなく、コーチングセッションとセッションの間にも起こるものであり、モデルはコーチングリレーションシップ全体を基盤にしています。

その構造は流動性があるように構成されています。コーチがクライアントに最も適したモデル構成で開始しても、クライアント自身とクライアントのニーズに最高の支援を提供するために、どの方向にでもモデルは流動します。

コネクト(つながる)

著書「The Gifts of Imperfection(不完全という贈り物)」(Hazelden、2010年)で、ブレネー・ブラウン博士は、コネクション(つながり)を「見、聞き、価値を感じるとき、評価されずに受け与えできるとき、関係性から心の支えや強さを得るときに、人と人との間に存在するエネルギー」と定義しています。これが、このモデルを行う時に、コーチがコーチングの経験全体を通してクライアントに提供する目的です。

「コネクト」は、確実にモデルの上に置かれ、その複数の線がモデルのあらゆる他の構成要素を包含するように延びていきます。この理由は、つながりの概念はコーチングリレーションシップの中心にあり、すべての側面に通じているからです。

コラボレート(協同する)

「コラボレート」構成は、現時点に定めた行動を進めるなかで、何にフォーカスすることがクライアントの最善の利益になるかを決定するため、クライアントの人生のさまざまな分野をコーチとクライアントが話し合って協力しあうプロセスです。

この段階で、コーチは人を動かす質問(Powerful Questioning)のコンピテンシーを活用することができます。(例えば、 「今、あなたの人生に何が起きていますか。」「現在の計画や目標は何ですか。」「現在直面している課題は何ですか。」「今、祝いたいことは何ですか。」「今、前進している自信を自分で感じるために、何に焦点を当てて話し合うのが最良だと思いますか。」)一旦話題が定められたら、次にクライアントの前進を支援する最も効果的な方法を決定します。

このモデルはコーチとクライアントが熟考するための3つのルートを提供しています。

■ シチュエーション(状況)

「シチュエーション」は、コーチとクライアントが人生の異なる領域を話し合う場合、そして、コーチがある特定の状況にフォーカスするのが最も有益である、あるいは、クライアントにさらに話し合うべき差し迫ったことがらがあると判断した場合に起こります。コーチは、クライアントの周りにある強いエネルギーと、そのために、クライアントの焦点が明確になっている実際の事柄によって状況を認識します。

クライアントの例:
「出席しなくてはならない会議があるのですが、私の子どものリサイタルがあるのです。」

■ リフレクション(内省)

クライアントが深い内省を必要としない「シチュエーション」に対して、「リフレクション」はクライアントが過去、現在あるいは経験中のことをじっくり考え、意味づけをするために、より多く自分と向き合う余裕が必要な場合に最も適しています。これはクライアントにとって経験と、現在と未来の人生に経験が及ぼす影響の点と点を繋ぐための機会です。

クライアントの例:
「授業の一つに重要なプレゼンテーションがあります。準備をしましたが、どうしたわけかこのプレゼンが大変不安です。」

■ アクティビティ(活動)

「アクティビティ」は過去、現在または将来の状況を計画、あるいはより理解するために、クライアントのニーズにより促進され得る計画された具体的な活動です。「アクティビティ」の意図は、クライアントの抽象的な思考を具体的なツールに落とし込む支援をし、クライアントが定め、求める前進を明確化することです。

クライアントの例:
「私は月の予算を把握しなければなりません。」

最終的に、すべての3つのカテゴリーがコーチングのプロセスを通して、アクション(前進)につながっていきます。

アクト(行動する)

このモデルで、アクションはクライアントが人生における意識的な選択に責任をもつことと定義されます。意識的な選択における行動を目標に、クライアントが能力を発揮し前に進むことを支えていきます。

この構成では、コーチは「リフレクション」、「シチュエーション」そして/または、「アクティビティ」を基盤にして、クライアントが前に進むための行動手順を明確にできるようにします。手始めのアクションの例は、視点や行動を意識的に変更させること、あるいは、SMARTゴールを達成するための行動計画を描くために、コーチと連携することです。

クライアントの例:
シチュエーション:クライアントが、リサイタルに出席し、かつ会議初日を欠席できることを把握します。行動手順は上司に許可を求めることです。

リフレクション:クライアントは、授業のプレゼンテーションは自分が非常に情熱を傾けている話題にフォーカスしていることを自覚し、自分のキャリアパスを変える可能性があることに気付きます。行動手順は、この話題につながる可能性のあるキャリアパスの調査活動をすることです。

アクティビティ:予算編成完了後、クライアントはそれを7日間実行し、週の最後に結果を評価することを約束します。

コンティニュー(継続する)

「コンティニュー」構成はフォローアップを促進し、新しい話題を開始するという2つの機能があります。これはコーチングリレーションシップの継続性を最もよく示すモデルの構成要素です。

「フォローアップ」機能は、コーチングリレーションシップにおいて説明責任の力を与える効果があります。これは、コーチとクライアントが先に定めた行動手順の進捗状況の評価を目的として、以前の会話やセッションを持続するときになります。

クライアントが計画した先に定めた行動を実行しなかった場合、「フォローアップ」は、現実的でかつ/あるいは有益であろう異なる行動を再評価して、責任を持つ機会です。この置換作業では、関係性がモデルの柔軟性と再帰性を実証する「コンティニュー」から「アクト」に移動します。

コーチングセッションが「コラボレート」と「アクト」の構成要素を含み、かつ時間が許す場合、コーチはクライアントに新しい話題を開始することで、セッション継続の許可を求めることができます。新しい話題提案が受け入れられた場合、セッションを継続し「コラボレート」に入っていきます。前と同様に、目標は「アクト」構成に到達することになり、クライアントは前に進むために約束した「アクション」を確立していきます。

ダイナミックサーキュラーコーチングモデルをコーチングセッションで利用したコーチは、モデルによってコーチングの有機的本質に忠実であり続けながら、確実に秩序を保つことができたと報告しています。

Jennifer Santoro
ジェニファー・サントロ
iPEC (Institute for Professional Excellence in Coaching) 認定プロフェッショナルコーチ。10年に渡るコーチトレーニングのプロフェショナルビジネスコミュニケーションの経験と、クライアントがビジネスおよびパーソナルな能力を最大に発揮するクライアント支援コーチングの経験を有す。フロリダ州立大学シニア·カレッジライフコーチを経験し、現在はGlobe on Demand’s Niche Dominance programで起業家を専任とする戦略コーチ。 Eメール:coachsantoro@gmail.com

John Keenan, III
ジョン・キーマンⅢ
スポーツ心理学コンサルタント。組織内で潜在的な可能性を最大限に実現させるため、アスリート、学生、兵士や個人トレーニングの経験を6年有する。民間企業において販売およびマーケティングの管理、フロリダ州立大学のカレッジライフコーチを経験し、直近の経験は米国ノースカロライナ州フォートブラッグの米陸軍にてトレーナーおよびパフォーマンスエキスパート。Eメール jjkeenan3@gmail.com

【翻訳 Coaching International 荒木まさえ 氏】
Originally written in English by Jenifer Santoro and John Keenan, III
Coaching World, Issue 13, March 2015, pp.14-16
http://icfcoachingworld.com