【CoachingWorld】有益なパートナーシップを結ぶために

コーチングワールド ICFでは年に4回、コーチングワールド(CW)という情報誌をオンラインとpdfで発行しています。オンライン版であれば、会員でなくとも、誰でも自由に閲覧することができます。

ICF日本支部では、翻訳ボランティア会員の協力を得て、このコーチングワールドの記事をピックアップして日本語に翻訳し、日本の皆様に世界のコーチング状況をお伝えして参ります。これは将来的には会員専用コンテンツになる予定です。こうした活動を御支援いただくために、是非、御入会を御検討ください

今回は、2015年11月号から、大森隆氏に翻訳いただきました、『有益なパートナーシップを結ぶために』の記事を御紹介します。


有益なパートナーシップを結ぶために
Building Profitable Partnerships

パートナーシップを組むべきか、組まざるべきか?
これは私たちコーチを適合性、専門的能力、実行可能性を模索させる、刺激的で悩ましい問いかけなのです。個人で営むビジネスの成長に限界を感じたなら、成長するための戦略としてパートナーシップを検討してみる価値があるでしょう。目的達成のために相互に影響しあえるパートナーがいれば、健全な経営、充足感、素晴らしい閃きや影響力といった望む結果をより早く手に入れることが出来ます。パートナーとの関係が悪化するという話はよく耳にします。いくつか例を挙げると、金銭での揉め事、仕事の配分、相手方の借金、方向性の違いなどです。無益なパートナーシップはあなたのビジネスを大きく損ねることもあります。時間やお金、リソースの浪費であり、お互いのことや仕事の評判を失ってしまうかもしれないのです。

重要な質問

将来パートナーとなりうる人を探したいという気持ちに駆られても、動き出す前に現在のビジネス環境で、あなた自身とあなたのビジネスの関係を考えることが非常に重要です。問いかけるべき重要な質問は「そのパートナーシップは、どのようにビジネスを伸ばしてくれるのか?」、そして「パートナーシップを結ぶことが、あなたに何をもたらすか?」です。もし答えられないとしたら、パートナー探しをする、もしくはパートナー候補者からの申し入れを受けるための準備が出来ていないということです。明確なイメージを持たずしてパートナーシップを組むことが、目標を達成するためのもっとも効果的な戦略かどうかをあなたは判断できるのでしょうか?有望なパートナーかどうかを評価するためにはどんな基準があるのでしょう?明確な判断基準を持つことで、パートナー候補者との交渉に時間を費やす価値があるのか、それとも止めた方がいいのかを素早く判断できるようになります。

新たな領域を求めて

パートナーシップを組むということは、各々の一部が分離し、新たな存在を生み出すということです。地理学の概念を借りれば、パートナーとあなたはそれぞれ違う土地の先住民であり、別の新たな土地に移住し、そこで新しい命を宿します。具体的な提携の合意を得ようとするとき、パートナー候補者との関係を確かめるのは有益なことです。あなたのビジネスとその将来に関わることなら、パートナーの性格をよく知ることが非常に重要なのです。あなたの判断に役に立つ「パートナーシップ診断書」がこちらで入手可能です。この診断書をパートナー候補者にも勧めることで、より早く相手との会話が深まるでしょう。経験や方向性の違いを明確にすることで、双方が納得する結果を得られますし、互いに十分な共通点があることが分かれば、深く理解し合えます。

パートナーシップを築こう

共感しあえる情熱が重要な要素であると同時に、それは単なる成功の予感ではありません。「パートナーシップの支柱(c)」は最適な成長を支える確固たる原則に基づいて、どのようにすれば明確なパートナーシップをコーチが築くことができるかを支援してくれます。特定したレベルによって、どのパートナーがビジネスの成功に対するあなたのビジョンに合致するのかを見分けることが出来ますし、合致しないものは手放すことも出来るのです。ミッション、相性、強みと相違点、実行計画という4つの支柱が効果的で満足のいくパートナーシップの頑丈な土台を作ります。最強の合意を得るために、それらの支柱をこれからみていきましょう。

パートナーシップの4本柱

支柱1:ミッション

パートナーとして何に深く関わるか?
ミッションは、あなたとパートナーをつなぎ止める接着剤であり、計画を立てる際の拠り所です。ミッションの重要性はどんなに強調しても強調しすぎるということはありません。驚くことに、パートナーシップを結ぶ際にこのことが時折、うやむやにされたり、まったく無視されることもあります。あなたのミッションや情熱がどれだけ実現可能なビジネスモデルなのかということを分かってもらえるまで具体的に掘り下げて話し合いましょう。あなたのミッションがどのくらいワクワクするものなのか、詳細にすり合わせ、その通りだというまでひとつひとつ紐解いていくのです。お客様がお金を出してもいいと思える商品・サービスを提供する見通しは立っていますか?そのビジネスが双方の望みを叶えるだけの利益を生むことは明白になっているでしょうか?

支柱2:相性

どのように共働するか?
絆を感じたり、一緒にいて居心地の良いと思える者同士が仕事上の関係を模索することは普通のことです。提携によって互いを結びつけ、共に働き、協力しあうために多くの時間を費やすためには、相性は大切なのです。もし実際に一緒に働いた経験がない相手なら、どうあれ、互いに知らなかったことを知ることになるでしょう。互いの望ましいワークスタイルや仕事に対する考え方、それぞれの価値感については、おそらく話し合っていたかもしれないのですが、そのようなことが起こるのです。仕事で他人と接すると、ストレスが掛かったり、衝突したときには特にですが、今までと違う相手の一面を知ることでしょう。パートナー候補者が共同作業の経験がないならば、そのパートナーとの長期契約をする前に行う試験的なプロジェクトは慎重に進めた方が良いのです。

支柱3:強みと相違点

どんな役割が必要? 誰が適任ですか?
自分と共通点の多い人と繋がることは素晴らしいことだと思います。しかし、パートナーシップによって様々な能力が幅広く集まれば、それ分だけ対応力も高まるのです。パートナーの強みを分析することは、パートナーが果たしてくれる役割や新たに補強すべき点も明確になります。だからといって、その役割をパートナーが果たすべきだとか、相手がその役割を果たしたがっているというわけではありません。パートナーシップを結ぶ以前に、中心的な役割やそれぞれの役割に関する権限を明確にした状態で、筋道の通った計画にお互いが合意することが重要なのです。契約を結ぶ前に当たり前だという思い込みにメスを入れ、お互いの役割や権限に関する合意を壊す要因を事前に見つけておくことが、後から気づくよりもはるかに良い事なのです。

支柱4:実行計画

パートナーシップを支える最適な契約は?
これまでの3つの支柱に基づいて検討したことは、第4の支柱での検討課題を提示してくれます。多くの人がこの支柱で議論をはじめ、後ろ盾を作ります。興奮気味に「会社を始めよう!」と宣言します。最初の3本の支柱に検証を経て、彼らはパートナー契約書を締結することが必要となるすべての過程に巻き込まれるようになります。ここには、一方では新たな存在をつくる公式な法的契約があり、他方ではお互いの個性を区別しながらも結びつけるという、絶えず熟慮する仕組みがあるのです。ミッション、相性、強みと相違点が明確となった後で、強固なあるいは緩やかな結びつきを追求する決定が、一番良い形でなされるのです。

パートナーシップの支柱(c)を使うと、コーチは情熱と期待を分かちあえるパートナーを見分けられ、合意出来るようになるのです。ビジネスを発展させる戦略としてのパートナーシップを結ぶコーチは、パートナーシップの機会を検証しながらリスクを最小化し、時間や資金、感情に対する多大な投資対効果を生み出すパートナーを探し出すことが出来るのです。


著者情報
ヘザー・L・ブラッドリー、PCC
ヘザーはコーチが好きな事(つまりコーチングです!)をやり続けることが出来るよう、彼らのビジネスを成功に導くことに情熱を注いでいます。ヘザーのビジネス開発の顧客は、
熟練のコーチングビジネスのオーナー、成功した小規模事業向けの経営コンサルタントとしての彼女の経験から恩恵を得られます。本の著者であり、フォーチュン500に入る企業の元副社長でもあります。コーチが望む結果を創り出せるように自らの仕事に刺激を与えるコーチ除細動器システムを開発した。詳しくは TheFlourishingCompany.com にて。

【翻訳 大森隆
Originally written in English by Heather L. Bradley, PCC.
Coaching World, Issue 16, November 2015 p18-20
http://icfcoachingworld.com