【CoachingWorld】気づきのためのS.T.A.R.T. 方程式 ~道具箱から~

コーチングワールド ICFでは年に4回、コーチングワールド(CW)という情報誌をオンラインとpdfで発行しています。オンライン版であれば、会員でなくとも、誰でも自由に閲覧することができます。

ICF日本支部では、翻訳ボランティア会員の協力を得て、このコーチングワールドの記事をピックアップして日本語に翻訳し、日本の皆様に世界のコーチング状況をお伝えして参ります。これは将来的には会員専用コンテンツになる予定です。こうした活動を御支援いただくために、是非、御入会を御検討ください

今回は、2016年8月号から、牧野内正雪氏に翻訳いただきました『気づきのためのS.T.A.R.T. 方程式 ~道具箱から~』の記事を御紹介します。


コア・コンピテンシー#8
気づきの創造

複数の情報を統合し、正確に評価して、クライアントの気づきを助ける解釈をし、それによってお互いに合意した結果を実現する能力

気づきのためのS.T.A.R.T. 方程式 ~道具箱から~
気づきのためのS.T.A.R.T. 方程式 ~道具箱から~気づきのためのS.T.A.R.T. 方程式
コーチングの実践において、私たちはスタートしたい重要なプロジェクトを一つかそれ以上持ったクライアントに出会うことがあります。しかし、彼らはそれを「スタート」するのとはあべこべに、自ら「ストップ」してしまうことが多くあります。もし、彼らがそのプロジェクトをスタートするために、気づきについての評価基準を提供することが出来るとしたら、あるいはスタートさせるために必要なことを教えることができるとしたらどうなるでしょうか?

ここでは、人間の関心の4つのクアドラントにヒントを得た、S.T.A.R.T.と呼ばれる実践的なマトリックスを紹介します。「スタート」することは、この方程式の頭文字に則った行動を開始することになります。

ワークシート:気づきの方程式
S.T.A.R.T.©の準備状況を評価する

プロジェクト名
項目 質問例
(その時々に合わせて改変する)
共鳴サイン
(プロジェクトに向かって動いているか)
不協和サイン
(プロジェクトから離れる動きか)
掛け合わせ
(1) (0) スコア
Specify
特定
あなたの焦点は?
どんなフィールドやエリアでやりたいですか?
Today
今日
あなたの都合は?
時間枠は?
最初の一歩を踏み出すのに良い日はいつですか?
Achievable
達成可能
あなたの本当の才能は?
あなたの能力は?
達成の可能性を0から10で答えると何になりますか?
Relevant
重要性
あなたが情熱を注げるのはどこですか?
何故大事なのですか?
あなたのコア・バリューは?
Target
ターゲット
そのプロジェクトであなたは何を得たいですか?
その次に価値のあるターゲットは?
トータルスコア

判断項目
S.T.A.R.T.の文字は、それぞれ一つの判断項目を表します。
S—Specify/特定
(クライアントの焦点がどこにあるか)
T—Today/今日
(クライアントの都合、時間枠)
A—Achievable/達成可能
(クライアントの能力、才能)
R—Relevant/重要性
(クライアントにとって本当は何が重要か)
T—Target/ターゲット
(クライアントのゴール)

方程式
誰でも簡単に出来る、式が正か負かを元にしたこの簡単な組み合わせにより、クライアント自身のプロジェクトへの準備状況がS.T.A.R.T.なのかS.T.O.P.なのかを判断することができます。

S.T.A.R.T.の各項目には、1か0の点数を付け、全体を掛け合わせます。式が正となるためには、全ての項目が1で埋められている必要があります(1x1x1x1x1=1)。この場合、クライアントはプロジェクトに向けて動く準備ができていると判断されます。逆に、1つ以上の項目が欠けている場合、全体の積は0となります(1x0x1x1x1= 0)。この場合、式は正とはならず、コーチはクライアントをS.T.O.P.(プロジェクトの成果に向けた解決策=Solutions Toward Outcome of Project)に向けてサポートする必要があることでしょう。

まずはクライアントに準備状況を判断したいプロジェクトを選んでもらうことから始めましょう。ワークシートの一番上の欄に、そのプロジェクトの名前を入れてもらいます。次に、書かれた質問をクライアントにしていきます。最初と最後の質問(SpecifyとTarget)以外は、順番を変えても構いません。また、質問も書かれたものを例文として、クライアントに合わせて変えていただいて結構です。

答え毎に、クライアントにそれを共鳴サイン(プロジェクトに向かって動いているか)か、不協和サイン(プロジェクトから離れる動きか)か判断してもらいましょう。共鳴サインならスコア欄に1を、不協和サインならスコア欄に0を記入します。全ての項目が採点されたら、点数を掛け合わせてください(1=S.T.A.R.T.、0=S.T.O.P.なのを思い出してください)。結果が出たら、クライアントにこれについてどう思うかを聞き、次のステップを見つけ出す機会を与えるように質問していきましょう。

S.T.A.R.T.方程式はコーチにとって、(クライアントの気づきを創造する他の手段と同じ様に)目に見えないクライアント自身の考えや気持ちを可視化することが出来、彼らの知識や気持ちが物事をスタートさせる力になるのを手助けできる価値あるツールです。


著者情報
シルヴィア・ヴィオラ、PCC
シルヴィアはエグゼクティブコーチにして、コーチトレイナー、法律家。世界中での二十年以上の経験、トレーニング、コーチングは、多様な文化を持つエグゼクティブやビジネスピープル達を成功に導いてきた。複雑な中のシンプルさや、貢献の評価、誠実と自由などを好んでいる。

【翻訳 牧野内正雪】
Originally written in English by Silvia Viola, PCC
Coaching World, Issue 19 August 2016 p10-13 S.T.A.R.T. Formula for Awareness
http://icfcoachingworld.com