【CoachingWorld】コーチングにおけるパーソナルブランド

コーチングワールド ICFでは年に4回、コーチングワールド(CW)という情報誌をオンラインとpdfで発行しています。オンライン版であれば、会員でなくとも、誰でも自由に閲覧することができます。

ICF日本支部では、翻訳ボランティア会員の協力を得て、このコーチングワールドの記事をピックアップして日本語に翻訳し、日本の皆様に世界のコーチング状況をお伝えして参ります。これは将来的には会員専用コンテンツになる予定です。こうした活動を御支援いただくために、是非、御入会を御検討ください

今回は、2017年2月号から、牧野内正雪氏に翻訳いただきました『コーチングにおけるパーソナルブランド』の記事を御紹介します。


コーチングにおけるパーソナルブランド
コーチングにおけるパーソナルブランドコーチングとは、この上なくパーソナルなサービスです。クライアントがコーチに対して、(恐らくは他のプロフェッショナルに対してよりも)「雇う」という意識よりも、「知っている」「好みに合う」「信頼できる」といった感覚を大事にしたいと思うのはそのためです。

残念なことに、多くのコーチはウェブサイトや名刺を作る際、単に自分のビジネスの構築に必要なTo-Doリストの一項目として考えています。見栄えの良いロゴや顔写真をテンプレート的なウェブサイトに載せて、クライアントがドアまで歩いてきてくれるのを期待するのです。でも、分かりやすく確かなパーソナルブランドを構築し、それをマーケティングやコミュニケーションを通じ、一貫性を持って発信することに投資していなければ、彼らが望むような展望は中々開けないことでしょう。もっと悪いことには、見込み客と初めて顔を合わせた際に、「あれっ、あなたは私が求めていたのと違うね」と言われてしまう(もしくは、思われてしまう)ことになり、売り上げ損失に繋がってしまいます。

あなたのパーソナルブランドは?
Entrepreneur magazineへの寄稿で、LogoYes.comの創設者ジョン・ウィリアムスはパーソナルブランドをこのように定義しています:
「シンプルに、あなたのブランドとは、あなたの顧客への約束だと考えると良い。彼らがあなたやあなたの商品に何を期待して良いのか、他社とどんな点で違うのかを、ブランドは語るのだ。」
もしくは、Amazon.comの創設者ジェフ・ベゾスはこう言っています。「あなたのブランドとは、あなたについて、みんながあなたが居ない場所で語ることのことだ。」
本質的に、コーチとしてのパーソナルブランドはあなた自身の評判-あなたを知る人、出会った人が、他の人にあなたのことをどう説明するか-になります。
あなたの経験、専門性、価値、強み、魅力-あなたをあなたたらしめる全て-は、あなたならではのパーソナルブランドを構築する重要なスタート地点になりますが、ブランドとはあなたの全てとイコールではないことにも注意が必要です。
他人の頭の中には、あなたについての(もしくは他の誰かの、でも構いません)情報を入れる場所はほんの少ししかありません。つまり、あなたのブランドは、あなたがクライアントにしたい相手にとって魅力的で覚えやすくなるようなあなたの特質の一部を、深めすぎず、戦略的に抽出して構築することが大切になります。

どうやってあなたのパーソナルブランドを広めるか?
一口に言えば、あなたが言うこと、成すこと、作るもの全てが、あなたのパーソナルブランドの信頼を上げたり下げたりします。
あなたの、コミュニケーション(文章、言葉、非言語を問わず)、スタイル、フォント、ウェブサイトやドキュメントで使う色や画像、ロゴ、キャッチコピー、推薦、資格、料金-これら全ての要素や、それ以外の様々なものが、あなたのパーソナルブランドを広めるための手法であり、これらは全体を通して一貫性のあるブランドストーリーを貫かなくてはなりません。

あなた自身のパーソナルブランドが何故大切なのか?
あなたのパーソナルブランドは、潜在的な顧客がクライアントへと変わるために、とても重要な役割を果たします。
何故なら、コーチングサービスの性質として、潜在的顧客は、そのコーチのことを好みに合い信頼できる相手だと、コンタクトする前に知っておきたいからです。これらに合う相手を探すのに、今の人々はどんな方法を使っているでしょうか? それは2つあります:オンライン上のリサーチと、人からの紹介(これもオンライン上でのリサーチを伴う場合が多いでしょう)です。

オンライン上でのリサーチ
ビジネスの成功において、オンラインで上での露出はいまだかつてない程に重要になっています。GoogleとMilward Brown Digitalによる2014年度の調査では、B2B取引の89%がインターネットでの情報を元に購入の決定を行っていると示しています。
潜在的顧客があなたについて検索した時、何が出てきますか? あなたのオンライン上での露出は、信頼できるパーソナルブランドに繋がるものですか? そこにはクライアントがあなたを知り、好きになり、信頼できるような情報があるでしょうか?

人からの紹介
どうすれば、あなたがもっと紹介してもらえるでしょうか?ヒンジの『Referral Marketing Study』によれば、最も重要なことは、その人が目に見える専門性を提示していることです。すなわち、その人が提供するサービスについて、手に入れやすく高い品質を持った事例、例えば講演、記事、本、ウェブサイトなどです。あなたは、他のコーチよりもあなたの方が信頼できると潜在的顧客が思えるようなオンライン上のプレゼンスを発揮していますか?

有効なパーソナルブランドは何が違うのか?
あなたがパーソナルブランドに投資する効果をイメージするために、こんなケーススタディがあります。
ある電気製品の小売業者が、ポテンシャルの高い女性のためのリーダーシップ開発プログラムを創り、25名の参加者に対して外部コーチによる1対1のコーチングを行いました。人材開発部門のマネージャーにより9人のICF認定資格取得者が選ばれ、それぞれ2pずつのプロフィールを参加者に配り、コーチングを受けたい相手を選んでもらいます。その結果、互いに面識が全くない状態にも関わらず、2名のコーチ(22%)が16人の参加者(64%)から選ばれました。
何がこの2名のコーチを魅力的に見せたのでしょうか?
それが明確で信頼に足りるパーソナルブランドでした。
書かれたプロフィールを受け取ったにも関わらず、参加者の多くはそのコーチについてオンラインで調べました。大多数から選ばれた2名のコーチは、信頼できるブランドストリーを語るオンラインでのプレゼンスやウェブサイト(ブランドに合わせた写真、キャッチコピー、デザインなどが整っているもの)に投資していました。
この強力な第一印象は、多くの参加者にとって自分たちがすでにコーチのことを知り、好み、信頼できてきているという気を起こさせ、そのコーチを選ぶことに安心感を持たせました。
明確に定義され、一貫性を持って発信されるユニークで信頼感のあるパーソナルブランドは、(マーケティングで重要とされる)より多くの人にあなたのサービスを知ってもらうためには役立たないかもしれません。しかし、潜在的な顧客があなたを知った時に、「この人が、私の求めていた人だ!」と思ってもらうために大いに役に立つことでしょう。


著者情報
エーンスリー・タンナー, ACC
エーンスリーはリーダーシップコーチにして、パーソナル・ブランド・エージェンシーの創設者。詳しくはAensleeTanner.comへ。

【翻訳 牧野内正雪】
Originally written in English by Aenslee Tanner
Coaching World, Issue 21 February 2017 p12-13 It’s Personal
http://icfcoachingworld.com