【CoachingWorld】心のあり方でビジネスを成功に導くプロセス

コーチングワールド ICFでは年に4回、コーチングワールド(CW)という情報誌をオンラインとpdfで発行しています。オンライン版であれば、会員でなくとも、誰でも自由に閲覧することができます。

ICF日本支部では、翻訳ボランティア会員の協力を得て、このコーチングワールドの記事をピックアップして日本語に翻訳し、日本の皆様に世界のコーチング状況をお伝えして参ります。これは将来的には会員専用コンテンツになる予定です。こうした活動を御支援いただくために、是非、御入会を御検討ください

今回は、2017年2月号から、田中チズ氏に翻訳いただきました『心のあり方でビジネスを成功に導くプロセス』の記事を御紹介します。


心のあり方でビジネスを成功に導くプロセス
心のあり方でビジネスを成功に導くプロセス管理職や起業、スピリチュアル・ヒーラーの他、コーチとしての独立など様々なキャリアを経験してきた私が感じるのは、マーケットへの理解だけでなく、情熱や目的意識が起業家としての成功を左右するということです。今この記事を読んでいるあなたも、コーチの仕事に情熱を注ぎ、クライアントのサポートに大きなやりがいを見出しているのではないでしょうか。コーチングとは、理論で勝負する単なるビジネスではなく、いわば心を使って経験を積んでいく使命のようなものです。また、多くのコーチにとって、コーチングとは心のあり方の模索でもあります。金銭的な報酬は目標達成にもちろん必要ですが、情熱的なサポートで意識改革を促し、パートナーとしてクライアントに自信や力を与えることこそがコーチングの本来の目的なのです。

情熱の持ち方を、ビジネススクールで習得することはできません。ソニー創業者の盛田昭夫がもしビジネススクールに行っていたら、ウォークマンの発明はなかったでしょうし、スティーブ・ジョブズやビル・ゲイツが大卒だったら、マイクロソフトやアップルはこの世に存在しなかったでしょう。成功している起業家は数学的な市場分析ではなく、ひらめきや情熱、不屈の精神、自分の創造力を信じる力を持っています。彼らには、失敗を繰り返し、挫折から立ち直る強さがあります。それらはすべて自分を信じる強さからくるものです。成功者は、自分を駆り立てる情熱に突き動かされて進むことが圧倒的な成功につながることを知っています。そもそもの動機がお金や権力だったとしても、数々の失敗や成功を経て、彼らはやがて、社会に還元できる確かな何かを手にしていきます。つまり、情熱を心に秘めているかどうかが成長や成功を大きく左右するのです。

コーチとして生きることを選択したあなたは、彼らと同じ成功への変革を遂げつつあります。あなたには人をサポートする情熱があります。あとは、チャンスを活かす長所や強みを、情熱や目的意識と結びつけ、クライアントをサポートする独自のシステムを構築したら、コーチとしての成功はすぐそこにあります。この記事では、私がスピリチュアル・ヒーラーとして活動していた頃、数千名のクライアントと実践した6つのプロセスを紹介します。これは「マインドレス」と呼ばれる瞑想を活用したプロセスで、禅やヨガの概念にもとづいています。結果ではなく過程を重視するテクニックで、意識に働きかけるマインドフルネス法をはるかに超える気づきや行動、発想の変革を促します。まずは自分自身がマスターして、クライアントと実践してみましょう。

ここでは6つのプロセスのうち主要な4つを紹介しています。残りの2つは瞑想を用いた対面でのフォローアップとなるため割愛します。

1. 成功につながるポイント「スイートスポット」を発見する

下図に示す第一のステップは、長所やチャンス、リソースなどを情熱と結びつけ、未来の成功を強く思い描く基盤を作るための4つの要素です。

喜びとワクワク感をリスト化:何かをやり遂げた場面、うれしかった評価、人間関係、人をサポートした時など、大きな喜びが満ち溢れる瞬間を1つめの円にリストアップしましょう。そのリストから、あなたの情熱と目的意識の傾向が浮かびあがってきます。

自分の長所を見つける:2つ目の円には、上記の「喜びが満ち溢れた瞬間」を得るために活かした自分の長所や強みをリストアップしてみましょう。円1と円2が重なる部分は、叶えたい夢と強みとが重なり合う場所です。

どんなチャンスがあるか:情熱と長所の接点にある夢を叶えるために捉えるべきチャンスは何でしょうか。思いつくチャンスを円3にリストアップしてみましょう。

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活用できるリソースは何か:上記で発見したチャンスを成功に結びつけるために必要な学びや研修機会、身につけたいスキル、ビジネス上や個人の人間関係などを円3に整理しておきましょう。

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この4つの円の中心点に「スイートスポット」が浮かび上がってきます。それはあなたの情熱や長所が、訪れたチャンスの中で最高の形で活かされ、さらにリソースで補完することによって成功へとつなげることができる最強のポイントとなるでしょう。

2. 「65バック・ビジョン」で25年後の未来像を描く

「65バック・ビジョン」とは、キャリアと私生活両面における充実を目指した統合プロセスです。過去の経験にもとづいて重要だと信じているものなどの制約を時間・空間的に解き放ち、本来あるべき未来像を描くことを可能にしています。私がコーチングを行っているエグゼクティブの多くは、目標設定を富や地位を得るためのものと考えており、ビジョン設定も3~5年間の短期間で設定しています。その先の将来は、自分の影響力が及ばない曖昧な領域だと考えているのです。それは、言い換えれば未知に対する恐れとも言えます。私自身も富や地位にこだわっていた頃はまさに同じように感じていました。

未来像を描くこのプロセスでは、例えば現在40歳のエグゼクティブに、25年後の自分を想像してもらいます。富や地位だけでなく、健康、家族・パートナーとの関係、学び、奉仕、精神の充実など、人生の主要な領域を満たすビジョン設定を行うのです。すると、そのビジョンを達成するために必要な情熱や目的意識がまったく違ってくることに気づくことでしょう。

この全方向性の長期ビジョンを描く方法は、65歳の未来像を描いた「人生の輪」を作成することです(少なくとも20年以上先の未来像を描くのが望ましいでしょう)。この人生の輪では、前述の「スイートスポット」を参照して達成できる可能性を考慮しつつ、富や地位をはじめとする各領域における具体的かつポジティブな目標をリストアップしていきます。

完成したら、現在の自分の年齢に向かって5歳ずつ遡りながら同様に「人生の輪」を作っていきます。例えば、もしあなたが今40代前半なら、まず初めに60歳の輪を作り、その後、55歳、50歳、45歳と遡って作成していきます。この5年毎の目標は、最終的な20年後の未来像を実現することを念頭においた目標にすることがポイントです。これらの5ヵ年目標が、短期目標の進捗管理のサポートをしてくれます。

3. 行動を喚起する計画を立てる

図式などを用いたビジネスプランを作成し、現在の自分から一歩ずつ前進するための短期計画を立てましょう。課題を洗い出し、それを克服するための選択肢を見つけます。今使えるリソースを探し、行動計画を練り、見つけた選択肢をもとに課題を克服していきます。このプロセスは認知的なプロセスで、アクション重視のコーチングを活用してビジネスプランを作成するのに似ています。5ヵ年計画用の雛形として、上の図をご参照ください。

4. 視覚化し、落とし込む

夢が叶った時、あなたは何を達成して、どんな自分でありたいですか?ここまでのプロセスを進めたあなたなら、数年後のありたい姿を感覚的に視覚化できるようになっているのではないでしょうか。いろいろなことに思いを巡らせたら、夢を知覚で認識し、心に落とし込みましょう。最後のステップとして、夢を信じて描くことができたあなたのエネルギーに感謝し、目標達成についての執着心を意識的にすべて手放します。心の力を活用してビジネス目標を設定し、心にしたがって実践することが、成功への一番の近道なのです。


著者情報
ラム・S・ラマナサン, MCC
リーダーシップ・コーチおよびトレーナーで、スピリチュアル・ヒーラーとしても活躍。東洋の精神論を心理学や神経学と融合させたマインドレス・アウェアネスを専門分野とする。
ウェブサイトはこちらから coacharya.com
Eメールはこちらから ram@coacharya.com

【翻訳 田中チズ】
Originally written in English by Ram S.
Coaching World, Issue 21 February 2017 p16-19 Brings Your Business With Your Heard
http://icfcoachingworld.com