【CoachingWorld】武道によるプレゼンスの具現化

合気道、それはたびたび「平和の芸術」と称される、パートナーとの繋がりや融合を育む稽古です。私は、パートナーと物理的に組む前からそれをしようと努力しています。そこには物理的なふれあいを続けるためのエネルギッシュな関係があります。その関係や触れ合いを通じ、技をもって相手を導きます。私たちは物理的に技をかけ、完了した時にエネルギッシュな関係を体感します。

私は相手をリードしたり引っ張ったりはしません。代わりに、今現在に心をにむける稽古をし、それからまず自分自身と、次に相手と繋がる稽古をし、「私たち」を信じる稽古をします。

トレーニングの前に、私はいつもその夜の意図の確認をします。稽古のメリットと価値は、意図にありますー私の成長の役に立つものは何だろう? ある夜、私はその日早くに受けたコーチングセッションを思い返していました。私が合気道で稽古をしていることは私がクライアントにもたらそうとしていることープレゼンス、繋がり、需要、そして一体感ーと同じ、と気がつきました。

フェルトセンス(内的感覚)の具現化

コーチとして私が広がりを持って繋がり、私のクライアントが自分自身を探求することが可能であるとき、クライアントは認められ、受け入れらる内的感覚を持ちます。彼らは、自分が誰であり、何を経験したかについて尊厳を持つようになります。

この連携は深いリラクゼーションや自分とクライアントの信頼をもたらすことが確認されています。 これは、それだけでクライアントにとって特別な経験となり得ます。

稽古の時の体の感覚で認識できるような呼吸が、私たちの筋肉、臓器、内分泌系、神経系ーつまり私たちの神経系全体の緊張を解くことに結びつく、ということが神経科学により数多く証明されています。私たちは体に心が宿っているのではなく、統合された一つのシステムなのです。

リラックスした体は柔らかく、他者を受け入れやすくなります。
人と人とのコミュニケーションの97パーセントは、心ではなく体を通してであると示唆されています。リラックスして開いた体は安心と共感を伝え、他者を前へと誘い、そして受け止めます。より深いパートナーシップが生まれるのです。

どのようにして私たちはそのセッションを通して深いパートナーシップを築き、創り続ける可能性を培えるのでしょうか?明らかに、それは今ここにいることです。プレゼンスは心の状態ではありません。具体的に示されている練習です。

練習の方法と繋がり

私たちは誰かと真にコネクトしようとする前に、体温、冷たさ、硬さ、振動など、自分の感覚とコネクトすべきです。この生きているサインはいつもそこにあります。
全ての生きものにおいて、生きるとは、脈を打つことを強いることなのです。

さて、あなたを簡単な練習に招待しましょう。椅子に座って足は床につけてください。
深い呼吸をして、椅子に体を預けてください。椅子によってホールドされたあなたの重さを感じる時間を取りましょう。

もう少し深く、ゆっくり呼吸をし、胸郭が横方向に伸び縮みするのを感じましょう。
1分ほど呼吸とともにいて、あなたの体の感覚や、そのゆるやかに、リラックスしていく自然な反応を感じましょう。

次に、前方向に開く呼吸を感じますが、同様に後ろへの感覚も大切です。度々、私たちは体に”後ろ”があるのを忘れます。
あなたの呼吸が、ゆっくりと肩に、それからあなたの中心、後ろの下の方向に流れていくことに意識を持ってきましょう。あなたの体の感覚を感じ、共にいましょう。

あなたの足元まで意識を持ってこられるようになるまで続けましょう。

靴の中の靴底に意識を向けた時、あなたの呼吸は自然とどうなりましたか?床の上の靴底では?床に流れ込むあなたのエネルギーをイメージしましょう。あなたの体に、足元にあったあなたの意識を新しい場所に移動する時間を取りましょう。呼吸パターンの変化、体のリラックス状態にも意識を向けましょう。

合気道の本質とコーチング

合気道と同様、この具現化したプレゼンスはまず自分自身と、それからクライアントとより深く同調し、傾聴する能力を高めます。 クライアントが望むものに対するあなたの好奇心は、鋭くなります。この体でいることはクライアントのリソースや才能、スキル、ギフトを呼び出し、望んだ結果の実現をもたらします。

あなたはクライアントの響きを高める質問ができ、深い恐れや欲望にもっと気づくことができるようになります。あなたはクライアントに起きたわずかなエネルギーの変化を観察することができ、クライアントの体は新しい真実を認知していることがわかるでしょう。

それらのエネルギーにより、あなたはセッション中に何が起きているのかを明らかにするための質問することができます。あなたはクライアントが自分たち自身とあなたの信頼性を信じ始めるような、深く観察されるという体験を創り出します。
ここから、合気道で経験するような美しいパートナーシップ が生み出されるでしょう。


著者情報
メール・マッキンリー
メール・マッキンリー(MCC)は、コーチングの経験を積むための身体と言語の専門知識を合わせ持ち、洞察力があり、啓発的で思いやりがある。
メールのキャリアー栄養士、ビジネスコンサルタント、コーチのどれもーを通して、彼女の深い願いは人々が自分たちの思い描く人生を歩むということである。 メールは経営コンサルタントとして25年過ごし、その間プロセスの再設計と実施を担当するチームに従事する。米国と欧州の両方で数多くのチームとエグゼクティブをコーチした。1992年にMaster Somatic Coachの認定を受けた。
彼女は合気道(初段ー黒帯の最初の段階)の稽古を通して身体の啓発を続けている。メールについて詳しくはhttps://merlemckinley.com


【翻訳 栂村雅美】
Originally written in English by Merle McKinley
Coaching World, October 3, 2018, Embodying Presence through a Martial Art
https://coachfederation.org/blog/presence-through-martial-arts

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